ALL FOR CHILDREN 〜すべては未来を担う子ども達のために〜

概要

秋田県大館市釈迦内地区。市北部に位置する人口約8000人の豊かな自然に囲まれたこの地で、小学校を中心に町中の人々が参加し、新たなプロジェクトが進められています。その名も「釈迦内サンフラワープロジェクト:通称釈迦内SP」。

子供達はキャリア教育の実践として「ひまわり」を栽培し、その種から出来る油を加工、販売する一連の流れから、農商工の繋がりを学ぶことが出来ます。そして、「〜すべては未来を担う子供たちのために〜」をコンセプトに、あらゆる団体、企業、個人が協力体制を敷き、ひまわりを核にこの地域を元気にしようという「未来創造プロジェクト」です。

太陽に向かって咲き誇るひまわりは「明るい未来を自らの手によって創り出そう!」とする地域住民の強い意志の象徴になるはずです。

背景

釈迦内小学校は明治7年に開校した当時、「向陽(こうよう)小学校」という校名でした。当時の校名は村の名前を付けるのが慣例でしたが、創設者である日景弁吉(1849−1919)が「向陽」という言葉に「ひまわりのようにたくましく成長してほしい」という願いを込めて名付けたもので、以来この地域で大切にされ続けてきた言葉です。このように釈迦内地区とひまわりは、歴史的にも深いつながりを持ちながら現在に至っています。

日景弁吉、五十嵐おさむ校長、チラシ

また、近年釈迦内小学校は「キャリア教育の実践」に力を入れており、その前向きな取り組みと多くの好例から、平成19年には文部科学大臣賞を受賞するなど、地域をあげて協力体制を構築してきた歴史もあります。

元気いっぱいひまわり油プロジェクトスタート

このような中、平成22年4月、五十嵐經(おさむ)校長が同校に赴任すると、「向陽ぐんぐんプロジェクト」を立ち上げ、休耕田を地域の方々から借受け、当時の4年生の学年が「ひまわり」を育て、油に加工し、販売するという、「元気いっぱいひまわり油プロジェクト」がスタートしました。

ひまわり油の販売風景

さっそく休耕田を借受け、栽培面積はおよそ10アール。そこから収穫した種(およそ50kg)をひまわり油に加工、200mlのビンで50本ができ、それを販売することで得た収益を修学旅行費に充てるという、まさに「生きたキャリア教育」を実践。この取り組みはあらゆる角度から評価され、ついに2010年度東北経済産業局主催の「地域の魅力発信アイデアコンテスト」で、小中学校部門の最高賞である「大賞」を受賞しました。

小中学生部門の最高賞の大賞をいただきました。

そして、2年目となる本年は、さらにこの活動を昇華すべく「桜とともに向陽と」をスローガンに掲げ、教育目標を「向陽三心」とし、挑戦する心、感謝の心、正義の心を育てる教育の柱としてこのプロジェクトを位置付けました。 すると、この活動に感銘を受け、教育方針に賛同した地域が動きだしました。

「すべては未来を担う子供たちのために」というコンセプトのもと、釈迦内まちづくり協議会内に「釈迦内ひまわりプロジェクト実行委員会:通称釈迦内SP」(委員12名)を創設し、釈迦内小学校を核に、縦軸として幼稚園と中学校、横軸として地域のまちづくり協議会や婦人会など、釈迦内地区一体となって取り組む活動へ進化させようと「釈迦内ひまわりプロジェクト」が誕生しました。現在その主旨に多くの住民や団体が賛同し、活動の輪が広がっています。

スキーム

釈迦内SP実行委員会は定期的に会議を開催することで、地域のコンセンサスと協力体制を図ると共に、新たなプロジェクトのエンジンとしての役割を果たす一方、釈迦内小学校としては、教育重点活動の一部に位置付け、1・2年生は生活科の学習の一部に、3〜6年生は総合的な学習の時間の一部に活動を取り入れることで全校生徒一丸となって取り組んでおり、職員会議や打合せにおいて情報の共有化を図ることで、全教員も含めた活動を進めています。

釈迦内SP実行委員会開催

そして、前述のように活動に賛同していただいた団体や企業や個人の協力体制も広げ、釈迦内SP丸は大きく帆を上げ、緩やかながらも力強く進んでいます。

釈迦内小学校1,2年生

草刈り模様

1年間の活動報告

始めは小さな輪から始まった活動でしたが、徐々にこのプロジェクトに賛同し、ひまわり栽培のために土地を提供してくれる住民の方々が多く現れ、作付け面積は去年のおよそ20倍、1ヘクタールを超えました。これらの土地を学年の発達段階に応じて振り分け活動がスタートしました。今年度の活動の流れは以下の通りです。

4月

・プロジェクトの概要説明
・各学年の栽培地決定
・まちづくり協議会等の関係機関との連絡・調整
・栽培予定地の下見
・大きな石の除去
・土地を提供してくださった方々へのお礼の手紙を書く(6年)

5月

活動報告

・種を入れる袋のデザインを行う。(3年・5年)
・保護者の方に協力を呼びかける手紙を書く。(6年)
・豚糞(エスコンポ)と化学肥料(アラジン484)を播き,協力者のトラクターで整地した。(5,6年)

活動報告

・種の分配・協力者による耕起。
・ひまわり植栽(全学年 5月23日〜6月10日の期間で実施)
一定の間隔で植えることができるよう,全長約10mで20cmごとにポイントをつけた「植えるくん」を20本製作。各学年ごとに振り分けられた土地に種(ハイブリッドサンフラワー)を播いた。播いた総量はおよそ10kg、粒にしておよそ100,000粒であった。

☆秋田朝日放送の取材を受ける(夕方のテレビで放映される)

6-8月

活動報告

・雑草取り・追肥(野菜用の化学肥料) ・各学年の植栽地に看板設置

活動報告

8月
☆24時間テレビ(ABS)の取材を受け、放送される。
☆耕地に乾燥用のビニールハウス設置

活動報告

「親子ひまわり写真コンテスト」実施
(審査は、大館鳳鳴高校写真部の生徒のみなさまに依頼。また。コンテストの呼びかけは、5年生が作成しました)

9月

活動報告

・収穫(9/8親子ひまわり収穫DAY)
 ☆秋田朝日放送の取材を受ける。
 収穫した種(または大輪の部分)をすべて釈迦内小学校に集める。

活動報告

・種取り
 ☆ひまわり種取りボランティアを募集。釈迦内地区の婦人会の協力を得ながら、全校児童で取り組む。

活動報告

・乾燥
 ☆十和田の伊藤さん、大館の真正ファームの協力を得て乾燥させました。

10月

活動報告

・とうみを使って、種の選別。
・搾油。瓶詰め(小坂町の株式会社エコサカに依頼。)
・製品化

活動報告

・商品販売に関するコンセプトの決定
・ラベルや広告等の作成(6年)
・販売先との連絡と調整
◇大館市圏域産業祭・産業教育展にて限定販売(132本完売)
 29日・30日、大館樹海ドームにて

11月

活動報告

・ラベル作成(全校児童 6年生が趣旨説明)
11月3日にひまわりプロジェクト報告会実施
◇釈迦内文化祭にて限定販売(5日、6日釈迦内公民館にて)

活動報告

◇絞った油かすから作られた肥料やお米も販売

12月

◇秋田県北秋田振興局、大館市観光プラザにて販売(5日)
◇県庁、トピコにて販売
・お歳暮用ギフトセット販売予定(本数に余裕がある場合)
(包装紙とパッケージデザインは、大館二中へ)

1_2月

◇おおだてしない及び秋田県内各所にて販売

3月

・収益計算
・次年度に向けての成果と課題をまとめる。

主な活動報告

主な活動の様子は、以下の通りです。

施肥

5年・6年が中心となり,学校が担当する土地(計11か所)に豚糞(エスコンポ)と科学肥料(アラジン484)を播き,整地した。

播種

活動報告

一定の間隔で植えることができるよう,全長約10mで20cmごとにポイントをつけた「植えるくん」を製作。各学年でそれぞれの土地に種を播いた。播いた量はおよそ10kg,粒にしておよそ100,000粒であった。その後、子どもたちが調査したところ、一部の土地は、種を播いたものの芽が出なかったり、「鳥による被害」の可能性が高いことが判明。芽出しを行ってから植え直しを行った。(その際,ペットボトルを活用して,鳥に食べられにくくした。)

除草・追肥

地元の方々の協力を得ながら適時実施

ひまわり写真コンテスト

活動報告

夏休み中にひまわり畑を訪れ,写真を撮影し,夏休み終了後に応募した。参加者は,釈迦内小学校の児童とその家族。応募総数は259点。審査を鳳鳴高校の写真部が行い,一つ一つに賞がつけられた。9月4日に表彰式を行い,その際,地元企業が提供してくれた景品が当たる抽選会も実施し,おおいに盛り上がった。(空くじなし)

親子ひまわり収穫DAY

活動報告

本来は9月4日(日)に予定していたが,台風の通過に伴って8日(木)に順延。平日にも関わらず,保護者や地域の方々のたくさんの協力を得て,全校一斉に作業に取り組んだ。収量が多く,校内及びハウスや小屋に収納しきれなくなったため,予定を変更し,種取りと収納を並行して行った。

種取り

ひまわりの花の部分から種を取っていく作業。はじめは,軍手をはき,手でこすり落としていたため,時間がかかったが,バーベキュー用の網や「だし」と呼ばれる稲の苗を入れるものにこすりつけて取ることにより,作業効率が大幅にアップした。子どもたちは,休み時間や放課後なども意欲的に取り組んだ。また,釈迦内地区婦人会の方々にたくさん協力していただいたおかげで,予想よりも短い期間で作業を終えることができた。また,各家庭に数個ひまわりを持ち帰ってもらい,家族でも種取りを行ってもらった。

種の乾燥

大量の種を短期間で乾燥させる必要から、十和田の伊藤さん、大館市櫃崎(ひつざき)にある「真正ファーム」の乾燥機をお借りすることにより大幅な時間短縮を図ることが出来た。

種の選別

昨年度は,送風機や団扇などを使った手作業で行ったため,とても難儀した活動であったが,今年度は電動の「とうみ」を借りることができたため,大幅に効率がアップした。

搾油

昨年度に引き続き,小坂町の株式会社エコサカに依頼。続々製品化されている。